はじめに
プログラミングを学び始めた頃、フリーランスエンジニアという働き方に憧れていました。
場所を選ばずに働ける。自分の力で収入を得られる。好きな時間に仕事ができる——そういうイメージを持っていました。
公務員として9年間、毎朝決まった時間に出勤して、決まった場所で仕事をする日々を送ってきた自分にとって、フリーランスという働き方はある種の「自由の象徴」に見えていました。
実際にスクールに通い、案件を獲得し、フリーランスエンジニアとして活動を始めた今——そのイメージは正しかった部分もあるし、甘かった部分もあります。今回は、その現実を正直に書きます。
この記事でわかること
- フリーランスエンジニアになって感じた自由と責任
- 一番大変だった「案件獲得」のリアル
- 学習が終わらないという現実
- 収入の不安との向き合い方
- それでも挑戦して良かったと思う理由
思っていた以上に自由だった
まず最初に感じたのは、働き方の自由度です。これは想像通り、いや想像以上でした。
通勤がない。満員電車がない。決まった時間に椅子に座っている必要がない。公務員時代は「9時に出勤して17時まで席にいること」が前提にある日々でしたが、フリーランスになってからはその前提が消えました。
カフェで仕事することもできるし、子どもが起きる前の早朝に集中して作業することもできる。この自由さは、毎日の生活の質を確実に変えました。
ただ、その自由は最初から手に入れたものではありませんでした。9年間の公務員生活を手放して、スクールに100万円近く払って、何十回も提案を送り続けた先にある自由です。そのことは忘れないようにしています。
自由には責任がついてくる
自由さの裏側に気づくのに、そんなに時間はかかりませんでした。
仕事を獲得するところから、全部自分でやらなければいけない。
提案文を書くことも仕事。クライアントを探すことも仕事。面談の準備も仕事。コードを書いている時間だけが仕事だと思っていましたが、実際にはそれ以外の時間も仕事に使われています。公務員時代は「業務時間内にやるべきことをやる」という感覚でしたが、フリーランスになってからは「仕事に関わることに使った時間が全部仕事」という感覚に変わりました。
一番大変だったのは案件獲得
正直に言うと、技術学習よりも案件獲得の方がずっと難しかったです。
学習は努力した分だけ前に進めます。昨日わからなかったことが今日わかる。エラーが解決できる。そういう手応えが感じやすい。でも案件獲得は違います。
提案しても返信が来ない。面談まで進まない。「実績が少ないので今回は見送ります」——こういうことが続いても、何が悪かったのかがわかりにくい。「なぜ選ばれなかったか」は教えてもらえないことがほとんどです。SNSの「未経験から3ヶ月で案件獲得!」という投稿の裏に、どれだけの提案と断られた経験があるかは見えません。そのギャップを知らないまま進むと、最初の壁でかなり消耗します。
学習は終わらないと知った
案件を獲得できたら、あとは仕事をこなすだけ——そう思っていました。
現実は違いました。むしろ案件が始まってからの方が、学習の必要性を強く感じます。
クライアントによって使う技術が違う。現場で使われているツールを知らなければいけない。Laravelを学んで終わりではなく、Reactも触れるようになりたい、テストの書き方も覚えたい、AIツールとの連携も理解したい——案件を通じて「自分に足りないもの」が次々と見えてきます。
特に最近はClaude CodeをはじめとするAIツールの進化が速くて、「学習をやめた瞬間に置いていかれる」という感覚があります。これは怖さでもあるし、面白さでもある。エンジニアとして生きていくというのは、一生学び続けることを選ぶということなのかもしれません。
収入の不安は正直ある
公務員時代、給料は毎月決まった日に振り込まれていました。それが当たり前だったので、当時はその安定のありがたさに気づいていませんでした。フリーランスになってその当たり前が消えました。来月の案件があるかどうか、子どもを育てながら続けていけるか——こういうことを考える機会が増えました。
「公務員を辞めたのは正しかったのか」と問われたら今でも「正しかった」と答えます。でも「安定という面では公務員が圧倒的に有利だった」という事実も、フリーランスになってから改めて実感しています。
AI時代のエンジニアとして感じること
Claude CodeやChatGPTなど、AIツールの進化が目覚ましい今、「エンジニアは不要になる」という話をよく聞きます。
正直なところ、その問いへの答えはまだ出ていません。確かに以前よりも開発のハードルは下がっていて、AIがコードを生成してくれる場面は増えています。
ただ実際に使ってみると、AIを使いこなすためにも基礎知識が必要だということが実感としてわかります。「このコードが正しいか」「この出力をどう修正するか」を判断するのは、今のところ人間です。
「AIと競争する」のではなく「AIを使って自分の生産性を上げる」という姿勢で向き合うことが、今のエンジニアに求められていることだと思っています。そしてその姿勢は、むしろ学習の意欲をより高めてくれています。
それでも挑戦して良かった
ここまで読むと、大変なことばかりに見えるかもしれません。実際、楽な道ではありませんでした。
でも挑戦して良かったと思っています。「このままでいいのか」という違和感を抱えながら公務員として働いていた頃に比べて、今は「自分で選んだ道を進んでいる」という感覚があります。収入の不安はある、案件獲得は難しい、学習は終わらない——でもそれ全部、自分で選んだ結果です。公務員を辞めたとき「10年後にどちらの後悔が大きいか」という問いで決断しました。その答えが今も変わっていないことが、挑戦して良かったと思える一番の理由です。
これから目指す人へ
もし今、未経験からエンジニアを目指している人がいるなら、SNSの華やかな成功談だけでなく、現実も知った上で進んでほしいと思います。
案件獲得は簡単ではない。学習は終わらない。収入は不安定になる——これらは事実です。
でも同時に、「自分で選んだ道を進む」という感覚は、お金では買えないものです。どちらが正解かは人それぞれですが、少なくとも自分の場合は、あのとき踏み出して良かったと思っています。
まとめ
未経験からフリーランスエンジニアになって感じた現実は、決して楽な世界ではありませんでした。
自由な働き方には確かに魅力があります。でもその自由は、案件獲得・継続学習・収入の不安という責任とセットです。
それでも「挑戦して良かった」と思えるのは、自分で選んだ道を進んでいるという感覚が、今の自分を支えているからだと思っています。
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